2歳の息子に肘打ちをしたとして、岩手県警一関署が一関市の会社員の男(25)を暴行容疑で逮捕・送検した。肘打ちする様子が映った動画が配信サイトにアップされ、視聴した人から同署に多数の通報が寄せられたほか、県の一関児童相談所が14日に同署に通報したことが逮捕のきっかけになった。
発表によると、男は14日午後9時15分頃、自宅で就寝中だった息子の額に肘打ちをした疑い。息子にけがはなかった。逮捕は17日で、盛岡地検への送検は19日。男は容疑を認めており、同署は日常的に暴力があったかなどを調べている。
動画は、男の妻が動画配信サイトに作ったチャンネルにアップされた。このチャンネルは1万3000人以上の「フォロワー」を持つ人気で、14日は自宅の一室に固定したカメラで家族の様子をライブ配信し、ここに肘打ちの様子が映っていた。動画はツイッターで1万3000回以上リツイート(転載)された。
男は肘打ちの数時間後、妻のチャンネルで「申し訳ありませんでした」と題した動画を配信。「(息子が)なかなか寝なくて、ちょっと感情的になってしまって」「すみませんでした」などと釈明していた。
県内では2018年、北上市で1歳9か月の男児が父親から十分な食事を与えられず死亡する事件が起き、県と県警は児童虐待に関する情報共有を強化する協定を結んだ。一関児童相談所は「虐待は『疑わしければ(児相が)関与する』というのが児相のスタンス。今回の事案もその一例だ」と説明した。
容疑者宅の近所に住む女性は「子供たちとサッカーで遊ぶ姿をよく見かけ、いいお父さんだと思っていた。驚いている」、別の女性は「『うるさい』といったどなり声や子供の泣き声を聞くことはあったが、子供の多い地域で、気になるほどではなかった」と話した。