交際相手の5歳長女を逆さづり、浴槽の水に頭つける…31歳の男「暴行30回くらいした」

同居する交際相手の長女(当時5歳)の両手両足を縛って逆さづりにし、頭を浴槽の水につけたとして、大阪府警は10日、大阪市東成区中本、会社員末次一茂被告(31)(別の暴行罪などで起訴)を暴行容疑などで逮捕した。末次被告は容疑を大筋で認め、「ご飯をこぼすなどした時、殴ったり蹴ったりの暴行を過去に30回くらいした」と供述しているという。 発表では、末次被告は昨年5月31日夜、自宅マンションの浴室で、女児の両手首と両足首を結束バンドで縛ったうえで両脚を持って逆さづりにし、女児の頭を浴槽の水につけた疑い。女児にけがはなかった。 府警は同年6月11日、女児が早朝に同市城東区の路上を一人で歩いているとの通報を受け、市こども相談センター(児相)に通告。その後、保護されていた。 府警は今年4月、女児の頭部を殴ったとする暴行容疑で末次被告を逮捕していた。

Single Motherhood and Children’s Health and School Performance in Japan

Abstract This paper examines the well-being of Japanese children in single-mother families relative to children living with both parents. Using data from three rounds of the National Survey of Households with Children, I first demonstrate that single mothers report their children to have significantly worse health and lower academic performance. I then estimate regression models […]

復縁断られ激高か…元交際相手の家に侵入 女性と小学生の息子の顔面殴りけがさせた25歳無職の男逮捕

元交際相手の30代の女性の自宅に侵入し、女性と当時小学生だった女性の息子の顔面を殴ったとして、25歳の無職の男が逮捕されました。 住居侵入と傷害の疑いで逮捕されたのは、北海道札幌市豊平区の25歳の無職の男です。 男は、2020年3月30日午後1時ごろ、元交際相手の30代女性の自宅に玄関から侵入。女性と当時小学6年生だった女性の長男の髪を引っ張ったほか、顔面を殴りけがをさせた疑いがもたれています。 警察によりますと、女性は全治10日、長男は全治5日のけがをしました。 警察の調べに男は、「戸締りしていない玄関のドアから勝手に入り、殴ってけがをさせたのはまちがいない」と話す一方、「女性の左肩にできた”あざ”は事件を起こす前に、2人で肩パンをして遊んだものだ」と容疑を一部否認しています。 警察は、男が復縁を迫ったものの、断られたため犯行に及んだとみて、動機や余罪などを詳しく調べています。

夫の連れ子、重体に…虐待の継母に懲役6年 友人の忠告、聞かずに暴行 子は生涯にわたり回復困難/地裁

草加市の自宅で2017年9月、長男の背中を突き飛ばし重体となるけがを負わせたとして、暴行と傷害の罪に問われた母親の無職高橋冴季被告(27)の判決公判が25日、さいたま地裁で開かれ、一場修子裁判長は懲役6年(求刑・懲役9年)を言い渡した。 判決理由で一場裁判長は「本件で当時4歳の長男は、脳機能に著しい障害を負った。生涯にわたり回復は難しく、傷害罪としてこの上なく重大」と指摘。長男は夫の連れ子で、突然母親になり、育児に悩んでいたことなどがあったとしても、「友人から何度も忠告を受けたり、児童相談所に一時保護されたにもかかわらず、虐待を継続させた。その意思決定は相当に強い非難に値する」と述べた。 判決によると、高橋被告は17年2月、長男の胸を両手で突き飛ばして床に転倒させ、同9月には、長男の背中を両手で突き飛ばし、頭を壁にぶつけ急性硬膜下血腫の傷害を負わせた。

「ママ、苦しい…」 3歳児にかかと落とし、ガラス棚に投げ飛ばし 「人生に悔いなし…」と語る20歳男の鬼畜の所業

身長195センチ、体重120キロの大男は、身長98センチの幼子に執拗(しつよう)に暴行を加え続けた。東京都大田区のマンションで新井礼人(あやと)ちゃん(3)が死亡した事件。母親(22)の交際相手の暴力団組員、永富直也容疑者(20)=傷害容疑で逮捕=は「ガンをつけたので頭に来た」などとあまりに幼稚な動機を口にした。かかと落とし、平手打ち、投げ飛ばし…。耳から血を流し、「ママ、苦しい」とつぶやいた礼人ちゃん。だが、救助は呼ばれず、幼い命はそのまま消えた。(三宅令) 暴行のすえ、幼子はけいれん…悪夢の晩餐 事件が起きたのは、今月25日午後8時半ごろ。大田区大森南のマンションでの夕食中、永富容疑者は礼人ちゃんが「自分をにらみつけてきた」と激高した。 さらに「テレビのほうを見た」「またにらんだ」などと次々と因縁をつけ、暴行はエスカレートしていった。 母親は「永富容疑者が息子をつかみ、ボーリングのボールを投げるようにしてガラス戸棚に投げ飛ばした。正座させて平手打ちしたり、かかとを頭に振り下ろしたりもした」と説明。永富容疑者はさらに、ベランダを指さし「行け。死んでしまえ」などと話し、床に包丁を突き立てたという。部屋はマンション4階だった。 身長1メートルに満たない礼人ちゃん。けいれんを起こして過呼吸を起こしたところで、凶行は終わった。約1時間半後のことだった。 母親は翌26日、礼人ちゃんに水や食事を与えたが、嘔吐(おうと)を繰り返し、失禁もしていた。左耳からは血が流れ出ており、「ママ、苦しい」と漏らしたという。 暴行から丸1日以上が過ぎた27日未明になって母親が「子供に熱があって、反応がない」と119番通報。すでに心肺停止の状態で、搬送先の病院で死亡が確認された。 暴行の激しさを物語るように、遺体には顔、手足、臀部などほぼ全身に無数のあざがあり、頭蓋内や両眼底に出血も確認された。 笑顔で「ハイタッチ」 幸福な家庭を一変させた容疑者 警視庁大森署は同日、傷害容疑で永富容疑者を逮捕した。永富容疑者は「にらんできたので頭に来た。やることはやったので、人生に悔いはない」などと容疑を認めた。 その後の調べで、永富容疑者が母親と口裏を合わせ、犯行の発覚を免れようとしていた疑いが浮上した。 同署によると、母親はマンションに到着した救急隊に「25日に公園の滑り台から落ちてけがをした」などと説明していた。母親は「永富容疑者にそう話すように指示されていた」と説明。さらに「暴行のあと、礼人を病院に連れていこうとしたら、『息をしているから大丈夫だ。一緒にいたんだから、お前も捕まるぞ』などといわれた」と明かしたという。 搬送先の病院の医師は、母親の説明を不審に思い、同署に連絡していた。 母親は「暴行を止めようと思ったが、自分も殴られて止められなかった」などと話しているといい、同署は母親が永富容疑者に逆らえず、通報が遅れた可能性があるとみている。 同署によると、母親は礼人ちゃんと約3年前から現場のマンションに住んでいた。住人は母子について「仲が良かった」と口をそろえる。住人の女性(72)は「礼人ちゃんは人懐っこくて、保育園や買い物帰りに『ハイタッチ』と駆け寄ってきた。母親も優しく見守っていた」と話す。 母子家庭の平穏が崩れ初めたのは、今月初頭に永富容疑者が転がり込んできてからだった。 SNSで知り合い「泊まるところがない」 同署によると、母親と永富容疑者は昨年6月ごろにインターネットのSNSサイトを通じて知り合った。そして今月8日になって、永富容疑者が「泊まるところがない」として、同居生活が始まった。 虐待行為は18日ごろから始まったとみられるが、今回の事件当日ほど激しいものではなく、母親は「そのときはしつけの一環だと思っていた」と話しているという。 大田区によると、礼人ちゃんは4カ月、1歳半、3歳の健診を欠かさず受けていた。いずれも健康状態は良好で、虫歯ひとつなかったという。 母親は、礼人ちゃんが1人で着替えられないなど、ほかの3歳児に比べて少し発育に遅れがあったことを気にかけ、月に1度、区の支援センターに通うなど、愛情を注いでいた。 母親は永富容疑者の“しつけ”について、「自分が礼人をかわいがることに嫉妬しているように思えた」などと話しているという。 司法解剖で、礼人ちゃんの死因は頭部に強い衝撃を受けたことによる硬膜下血腫と判明。傷害致死容疑に切り替え、永富容疑者を調べている。 事件当日の25日に通園先の保育園で着替えをした際は、体にあざなどは確認されなかったといい、突発的に強い暴行を加えたとみている。永富容疑者から礼人ちゃんに対する謝罪の言葉はまだない。

大田区の3歳女児死亡 母親自身も両親からネグレクトされていた 止められなかった虐待の連鎖

東京都大田区蒲田の自宅マンションに長女を8日間置き去りにして死亡させたとして、保護責任者遺棄致死の疑いで母親の梯(かけはし)沙希容疑者(24)が警視庁に逮捕された事件は、育児放棄の末、幼い命が奪われた。亡くなった稀華(のあ)ちゃん(3)は部屋に一人っきりで、母が帰ってくるのを待ち続けていたとみられる。 「のんたん」と呼んでかわいがっていた  母子家庭の2人は、川沿いに立つマンション1階の1DKで3年前から暮らしていた。近くのコンビニ店の女性によると、梯容疑者は娘を「のんたん」と呼んでかわいがり、「仲がいい親子だった」と話す。 捜査関係者によると、梯容疑者が6月13日まで8日間過ごした鹿児島県の交際男性の元から帰宅すると、稀華ちゃんはごみが散乱する6畳居間のマットレスの上で亡くなっていた。 梯容疑者は「お茶やお菓子を置き、豆電球とエアコンをつけておいた」と供述しているが、死因は飢餓と脱水。捜査関係者は「泣いて疲れて、眠って…。それを繰り返し、衰弱していったんだろう」と唇をかむ。 近隣住人、稀華ちゃんの存在すら知らず 部屋の間仕切りは外側からソファでふさがれ、ベランダ側の窓は施錠されていた。捜査員が隣室の声や物音がどの程度聞こえるか実験した際も、ほとんど聞こえなかった。隣人や上の階の住人は、稀華ちゃんの存在すら知らなかった。 梯容疑者は1歳半ごろまで稀華ちゃんを遊園地に連れて行くなどしており、インスタグラムに仲むつまじい様子の写真を載せていた。昨年春ごろ、稀華ちゃんを保育園に通わすのをやめ、同じころ、JR品川駅近くの居酒屋で働き始めた。 勤務中、稀華ちゃんを部屋に一人で残し、仕事後にパチンコに興じて帰宅が深夜の日もあった。勤務先には「他の人が面倒を見ている」と伝えていたという。 3歳児検診を受けず 児相も気づかず 捜査関係者によると、防犯カメラの映像から5月上旬以降、稀華ちゃんを外出させておらず、5月8~11日にも一人で鹿児島に出かけていた。 梯容疑者も小学生の時、実母と養父から身体的虐待や育児放棄を受けて保護され、18歳まで宮崎県内の児童養護施設で過ごした。捜査関係者は「自らも虐待を受けて育ったことで、育児放棄に抵抗感が少なかったのかもしれない」と話す。 3歳児健診を受けさせておらず、児童相談所も育児放棄を把握していなかった。防ぐことができなかった虐待の連鎖。コンビニ店の別の女性は「もっと周囲に頼ったり相談したりしていれば、事件は防げたかもしれない」と声を落とした。

「私の暴行でない」4歳児虐待死、母親が起訴内容否認

2017年のクリスマスイブに大阪府箕面市の集合住宅で当時4歳の長男に暴行を加えて死亡させたとして、傷害致死罪などに問われた母親の筒井麻衣被告(28)に対する裁判員裁判の初公判が15日午前、大阪地裁(大寄淳(おおよりじゅん)裁判長)で始まった。筒井被告は「私自身の暴行によって生じたものではありません」として起訴内容を否認した。 起訴状などによると、筒井被告は、17年11月から同居していた当時の交際相手の松本匠吾(しょうご)受刑者(26)=同罪などで懲役10年の実刑確定=と知人の大倉敏弥受刑者(22)=同=と共謀。同12月中旬ごろから、筒井被告の長男歩夢(あゆむ)ちゃんと当時2歳の次男に暴力を振るい、同月24~25日に歩夢ちゃんの腹を殴って死亡させたとされる。 検察側は冒頭陳述で、筒井被告が同年11月中旬~12月上旬ごろまで歩夢ちゃんと次男に暴力を振るって「これがうちのやり方」と両受刑者に説明したと主張。その後両受刑者に歩夢ちゃんらへの暴行を指示し、24日午後からの暴行で歩夢ちゃんが亡くなったとした。 一方、弁護側は冒頭陳述などで、筒井被告自身は致命傷となる暴力は振るっていなかったと反論。「両受刑者に息子を殺されてしまった。両受刑者は思いも寄らなかったひどい暴力を振るった。筒井さんは2人(の暴行)を止められなかった」と訴えた。さらに、起訴内容は誰のどのような暴行で歩夢ちゃんが亡くなったのか特定していないとして、公訴棄却も求めた。 筒井被告は昨年2月の両受刑者の公判で弁護側証人として出廷した際は黙秘していたが、この日の罪状認否では「このような結果が生じたことは責任を感じています」とも述べた。 箕面市は事件を受け、虐待リスクを判断して児童の保護などを決める市要保護児童対策協議会の実務者会議に警察官と弁護士、大学教授を加えた。18年4月には、虐待の恐れがある子どもとその家庭を支援する専門組織「児童相談支援センター」を開設した。(米田優人、多鹿ちなみ)

児童虐待~連鎖の軛 第4部(1)目黒5歳児死亡 見逃された母のDV被害

《刑務所での生活は今は少し辛(つら)いですが、ゆっくり時間をかけて慣らしていこうと思っています》 昨年11月4日、栃木県内の女子刑務所から手紙が弁護士宛てに届いた。丸みのある文字で丁寧に書かれた文面に、10月下旬に東京拘置所から栃木刑務所に移った報告や《社会で生きていける精神力と体力を回復させていきたい》と出所後の決意がつづられていた。 差出人はかつて、世間から「鬼母」と罵(ののし)られ、猛烈な批判の渦中にいた。平成30年、東京都目黒区で長女の船戸結愛(ゆあ)ちゃん=当時(5)=を死なせたとして保護責任者遺棄致死罪に問われた優里(ゆり)受刑者(28)だ。事件では「おねがい ゆるして」と記された結愛ちゃんのノートが見つかり、「母親なのに子供を守らなかった」といった糾弾する声が相次いだ。 裁判では、懲役8年の判決が下された。ただ、夫だった船戸雄大受刑者(35)=懲役13年が確定=から、看過できない心理的なDV(配偶者間暴力)を受け、逆らいにくい従属的な立場にあったとされた。裁判長は「結愛ちゃんは戻ってこないが、あなたの人生は続く。裁判が終わってもしっかりと考え、人生をやり直してください」と説諭。DVの影響が量刑上でも考慮された形となった。 その判決から1年余り。優里受刑者から手紙を受け取った代理人の大谷恭子弁護士(70)は優里受刑者が、過去と向き合えるようになった心の変化を感じた。その一方で、事件を食い止められなかった社会へのわだかまりは拭い去れない。「誰かが手を差し伸べられなかったのか。結愛ちゃんは死なずに済んだはずだ」 夫の支配下に 優里受刑者は24年に結愛ちゃんを出産。元夫と離婚した後、香川県内で同居を始めていた雄大受刑者と28年に再婚した。結愛ちゃんの誕生日には、家族でケーキを作ってお祝いした。どこにでもある普通の家庭。思い描いた理想の家族になれるはずだった。 しかし、綻(ほころ)びは生じていた。長男が生まれ、優里受刑者が育児にかかりきりになり、雄大受刑者が結愛ちゃんの面倒を見る機会が増えた。その頃から、長時間の説教や優里受刑者へのDVが始まった。「モデル体形にする」と厳しい食事制限が課され、結愛ちゃんには「しつけ」と称した暴行が繰り返された。当初は暴力をやめるよう懇願した優里受刑者だったが、じわじわと「雄大が作った価値観」(大谷弁護士)に支配されていく。 優里受刑者が結愛ちゃんを抱っこするだけで、雄大受刑者からとがめられ、恐怖で抱きしめられなくなった。優里受刑者は「(雄大受刑者が)ご機嫌でいれば結愛は安全」と考えるようになった。相手の顔色を常にうかがい、自ら結愛ちゃんの説教に加わることも。その後も虐待は続き、結愛ちゃんは亡くなった。全身170カ所に傷があり、体重はわずか12・2キロだった。 「自分が悪い」 なぜ、防げなかったのか。DVと虐待が絡み合った環境に、第三者が介入する機会は何度もあった。 香川県の児童相談所(児相)は28年12月と翌年3月に、結愛ちゃんの傷やあざを見つけ一時保護した。最初の一時保護の際、結愛ちゃんは「ママもたたかれている」と伝え、優里受刑者も「一緒に行きたい」と申し出たが、警察や児相は「あざや傷がなければDVでない」と説明した。 東京拘置所で優里受刑者に面会を重ねてきたNPO法人「女性ネットSaya-Saya」の松本和子代表理事(72)は「何を聞いても『自分が全て悪い』という自責感情に覆われ、典型的な洗脳状態だった」と振り返る。優里受刑者は当初、DVを受けていた自覚すらなかったという。 その後も介入の機会は逃された。香川県から東京都に転居した後の30年2月、品川児相が家庭訪問したが、優里受刑者は結愛ちゃんに会わせずに担当者を追い返した。雄大受刑者が逮捕されて恨まれるのが怖かったためだ。東京で頼れる大人は雄大受刑者以外いなかった優里受刑者。松本氏は「心理的DVは第三者から発見されにくいとはいえ、結果的に誰も彼女に寄り添えず、児相や警察、医療機関による二次加害が起きてしまった」と指摘する。 理想の母親像に縛られ 孤立したのはDVだけが要因ではなかった。 結愛ちゃんの一時保護が解除された29年、優里受刑者は香川県内の医療機関を受診し、結愛ちゃんを抱っこできなくなったことなど育児不安を伝えていた。抱っこすると雄大受刑者の機嫌が悪くなることを恐れての無意識での行動だった。大谷弁護士らによると、優里受刑者に対し、医師は「ハグできない冷たい母親」と捉え、児童相談所も面会で「子供を暴力から守れるのはお母さんだけ」と、一方的ともいえる指導で終わった。 幾度となく突き付けられた理想の母親像。さらに雄大受刑者からのDVが追い打ちをかけ、自己肯定感を失っていた。「努力が足りてない」。自然に自分自身を責めるようになっていった。 「『良い母親でありたい』という思いから、子育てがつらいと声を上げられない母親は多くいる」。こう話すのは、武蔵野大の中板育美教授(公衆衛生看護学)。日本社会には「育児は楽しく、母親は本能で子供を愛せる」といった母性神話が流れているという。そんな無意識の固定観念が母親を追い込み、虐待を個人の問題に矮小(わいしょう)化する要因となっている。 「完璧じゃなくても」 厚生労働省によると、心中以外の虐待死における身体的虐待やネグレクト(育児放棄)では例年、主たる加害者は実母が半数近くを占めている。死亡した子供は3歳未満が6割ほどで母親は育児が大変な時期の子供と接する時間が多く、負担が集中しているとみられる。また、19~30年に虐待死した子供568人のうち少なくとも約10%にあたる51人は、実母がDVを受けていた。 母親が虐待をしてしまうのは、養育能力の欠如や育児不安、DV、望まない妊娠など多様な背景が潜んでいる。中板氏は「親はそもそも不完全で完璧にはなれない。『正しい育児』を振りかざす支援だけでは親を責め、より孤立させてしまう。社会全体で育児を担う意識が必要だ」と話す。 優里受刑者は現在、刑務所で平穏な日々を過ごし、刑務作業にあたっている。最近では運動場に出て、体を動かす意欲も湧いてきた。昨年2月には、事件に至るまでの経緯などをつづった手記も出版。差し入れの教科書を読み、勉強も始めている。 結愛ちゃんへの罪悪感が消え去ることはない。ただ、大谷弁護士によると、DVによる心理的な支配や、母親としての理想像の呪縛から解かれつつあるという。 昨秋、拘置所で大谷氏に面会した優里受刑者は落ち着いた表情で、出所への意欲を伝え、保護されている長男に誓うように語った。「息子と一緒に暮らし、完璧じゃなくても、強い母になりたい」

無理心中か? 幼い子供の3遺体 福岡・飯塚市などで見つかる 父親に何が

面倒見がいいと思われていた父親に、何があったのでしょうか。  飯塚市などで3人の幼いきょうだいが遺体で見つかった事件。 警察は、飛び降り自殺を図ろうとした父親の回復を待って事情を聴く方針です。 口を大きく開き、嬉しそうに握りずしを食べようとする男の子。 飯塚市の小学3年生・田中大翔くん、9歳です。 友達も多く元気で明るい子だったと言いますが、2月に自宅で死亡しているのが見つかりました。  ▼記者 「規制線の中では、これから警察官による鑑識活動が行われようとしています」 大翔くんは飯塚市の団地で、41歳の父親、3歳の弟、そして2歳の妹と4人で暮らしていました。 大翔くんに外傷はなく、病死の可能性があるということです。 大翔くんは自宅で1人倒れた状態で見つかり、ほかの家族の姿はありませんでした。  ▼近所の人 「子供3人いつも一緒で、子供だけ家に残していたとかあんまりなくて、ほとんど車に乗せて連れ回していた。男で、よく子供の面倒を見ているなって印象しかない」  家族は一体どこへ? 警察が調べたところ、父親が宮崎を経由し、鹿児島市内へ。そしてフェリーを使い、ホテルへ移動したとみられることが分かりました。  ◆記者 「警察が現場に到着しました。2人の遺体が見つかったホテルに入ります」  3人の行方を探そうと捜査員がホテルの4階の部屋に入ると、父親がベランダから飛び降りました。 父親は腰などを骨折する重傷で、現在、病院で治療を受けているということです。 また部屋からは、首を絞められたとみられる幼いきょうだいの遺体が見つかりました。 部屋には無理心中をほのめかす遺書が残されていたということです。  この前日、3人がホテルへ移動する際、タクシーに乗せたという運転手は- ▼タクシー運転手 「どこから来たのかって言ったら、黙ってたから、お父さんがな。ここに来たことがあるのと聞いたら、修学旅行で来たことがあると言ってた」  警察は、男性のけがの回復を待って事情を聞く方針です。  【詳細】 家族構成についてー 大翔くんは、41歳の父親、3歳の弟・漣翔くん、そして2歳の妹・姫奈ちゃんと飯塚市の団地に住んでいました。  近所の人によると、よくみんなで車に乗り出かけるような家族で、よく子供の面倒を見る父親だったという声もありました。 父親をめぐっては、過去に大翔くんへの暴力、軽いものだったようですが、警察は4回、児童相談所へ通告するということがあったようです。 しかし、今回は大翔くんの死と因果関係はなく、病死の可能性があるということです。  そして、家族の足取りについてです。 2月25日、大翔くんの遺体が見つかりました。 その後、家族は宮崎へ行ったとみられていますが、実は宮崎にレンタカーが放置されていたことがきっかけで分かりました。 レンタカーには練炭があったことから、警察は自殺の可能性があるとみて行方を追っていました。  その後、家族は鉄道、そしてフェリーで鹿児島市内のホテルを訪れたとみられることが分かったため、捜査員が部屋に入りましたが、父親は4階のベランダから飛び降り、2人の幼いきょうだいは遺体で見つかりました。

交際相手の2歳次女を暴行か、傷害容疑で男逮捕 香川

交際相手の女性(32)の次女(2)に暴行して顔にけがをさせたとして、香川県警は20日、同県さぬき市造田宮西、警備会社員高木貴大容疑者(26)を傷害の疑いで逮捕し、発表した。さぬき署によると、容疑を認めているという。次女の体には、ほかにも傷があるという。 署によると、高木容疑者は2日午前、同市内の女性宅で次女と2人でいた際、次女の顔に暴行を加え、両ほおに約2週間のけがを負わせた疑いがある。市などによると、次女の通う保育所から4日、「ほおにあざがある。(女性は)『こたつにぶつけた』と言っているが、虐待の疑いがある」と市を通じて連絡を受けた児童相談所が、県警に情報提供した。